歯と健康寿命の深い関係

愛媛県松山市の歯医者、石岡歯科医院の院長 石岡 亮です。

今回は、「歯と健康寿命の深い関係」についてお話をしていきます。

 

【目次】

1.健康寿命とは?
2.お口の健康と全身の関係
3.歯を失うことによる影響
4.噛む力が健康に与える効果
5.口腔ケアで健康寿命を延ばすポイント
6.まとめ

 

1.健康寿命とは?

「健康寿命」という言葉をご存じでしょうか。
これは、ただ長生きするという意味ではなく、「自立して生活できる期間」を指します。
つまり、介助を必要とせず、自分の足で歩き、食事をし、会話を楽しめる時間のことです。

日本人の平均寿命は年々延びていますが、健康寿命との差は男女ともに約10年あるといわれています。
この“差”を縮めるためには、全身の健康を支える「口の健康」が欠かせません。

 

2.お口の健康と全身の関係

お口は食事をするための入り口であり、全身の健康のスタート地点でもあります。
歯や歯ぐきが健康でなければ、しっかりと噛むことができず、栄養の吸収にも影響が出ます。

また近年の研究では、歯周病が糖尿病・心臓病・脳梗塞・認知症などの全身疾患に深く関係していることが分かってきました。
歯ぐきの炎症を引き起こす細菌が血管に入り込み、体のさまざまな臓器に悪影響を及ぼすことがあるのです。

つまり、お口の中を清潔に保つことは「全身の病気を防ぐ第一歩」でもあります。

 

3.歯を失うことによる影響

歯を失うことは、単に噛めなくなるだけではありません。
噛む力が弱まると、やわらかい食べ物ばかりを選ぶようになり、栄養が偏ってしまいます。
その結果、筋肉量の減少や体力の低下、さらには「フレイル(加齢による虚弱)」を招くこともあります。

また、歯を失うことで「食べる楽しみ」や「会話のしやすさ」が損なわれ、人との交流が減る原因にもなります。
社会的なつながりが薄れることで、心の健康にも影響を及ぼすことが知られています。

 

4.噛む力が健康に与える効果

「噛む」という行為には、実は多くの健康効果があります。
• 脳の活性化:噛む刺激が脳に伝わり、記憶力や集中力を保つ働きがあります。
• 消化を助ける:食べ物を細かくすることで胃腸への負担を減らします。
• 姿勢の維持:噛み合わせが整うと、体全体のバランスも良くなります。
• ストレス軽減:リズミカルな咀嚼は自律神経を整え、リラックス効果をもたらします。

このように、噛む力を維持することは単なる「食べる機能」以上の価値を持っています。

5.口腔ケアで健康寿命を延ばすポイント

健康寿命を延ばすために、今日からできる口腔ケアのポイントを挙げてみましょう。
• 毎日の丁寧な歯磨き
歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを使って汚れを残さないことが大切です。
• 定期的な歯科検診
虫歯や歯周病は初期症状が分かりにくいため、定期検診で早期発見・早期治療を行いましょう。
• よく噛んで食べる習慣をつける
柔らかい食事ばかりに偏らず、噛みごたえのある食材も取り入れることが大切です。
• ドライマウスや口臭にも注意
唾液の分泌は細菌の繁殖を抑える役割があります。お口の乾燥を防ぐことも健康維持につながります。

これらの習慣を積み重ねることで、口腔環境を良好に保ち、健康寿命をしっかりと延ばすことができます。

 

6.まとめ

「健康寿命を延ばすために最も身近なこと」――それが口腔の健康を守ることです。
歯や歯ぐきを健康に保つことは、噛む力・食べる喜び・会話の楽しさを維持し、身体と心の健康を支える土台となります。

毎日のケアと定期的な歯科検診を続けることで、将来の健康を大きく左右することができます。
“口は命の入り口”という言葉の通り、口腔の健康は全身の健康そのものです。

当院では、歯周病予防や定期的な口腔ケアのサポートを行っております。
「いつまでも元気に食べて笑いたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。