歯ぎしり(パラファンクション)とは
愛媛県松山市の歯医者、石岡歯科医院の院長 石岡 亮です。
今回は、「歯ぎしり(パラファンクション)とは」についてお話をしていきます。
【目次】
1.歯ぎしりとは?
2.歯ぎしりの種類とその原因
3.5.歯ぎしりが引き起こす影響
4.歯ぎしりが悪いものと思われる理由
5.歯ぎしりがストレス発散に繋がる理由
6.歯ぎしりを止めるべき場合とその方法
7.ナイトガードの役割と効果
8.まとめ
1.歯ぎしりとは?
歯ぎしり(パラファンクション)は、意識的でない、または無意識のうちに歯をこすり合わせたり、食いしばったりすることを指します。
主に睡眠中に起こることが多いですが、昼間にも気づかないうちに行っている場合があります。
歯ぎしりは、通常、歯を強くこすり合わせるか、上下の歯をガチガチと食いしばることで表れます。
ストレスや精神的な緊張を感じている時に起こりやすいですが、身体的な要因や睡眠障害、歯並びの問題などが原因になることもあります。
2.歯ぎしりの種類とその原因
歯ぎしりには、主に以下の二種類があります。
・歯のこすり合わせ(グラインディング)
上下の歯をこすり合わせる動きで、音が出ることが特徴です。
歯のこすり合わせは無意識のうちに行われ、特に夜間に顕著に現れることが多いです。
・食いしばり(クレンチング)
歯を強く食いしばる行動で、歯ぎしりと比べて音は出ません。
昼間やストレスを感じているときにも行われることがあります。
歯ぎしりの原因には、精神的ストレス、睡眠障害、歯並びの問題、噛み合わせの不調などがあり、これらが組み合わさって歯ぎしりが発生することもあります。
3.歯ぎしりが引き起こす影響
歯ぎしりが長期間続くと、以下のような影響を引き起こすことがあります。
・歯の摩耗
歯ぎしりによって歯の表面が削れ、エナメル質が失われることがあります。
これが進行すると、歯が欠けたり、歯茎が後退する原因となります。
・顎の痛み
強い食いしばりや歯ぎしりによって顎関節に負担がかかり、顎の痛みや筋肉のこわばりを引き起こすことがあります。
・頭痛や耳鳴り
顎関節や歯を強く使うことが原因で、頭痛や耳鳴り、めまいが発生することがあります。
・歯周病や歯のひび割れ
歯ぎしりによって歯に強い力がかかり、歯のひび割れや歯周病が進行することがあります。
4.歯ぎしりが悪いものと思われる理由
一般的には、歯ぎしりは悪い習慣とされており、多くの人がこれを「治さなければならない」と考えます。
しかし、実際には歯ぎしり自体が悪いことだけではありません。
歯ぎしりは実はストレス発散の一環になっていることもあります。
ですので必ずしもすぐに止めるべきという訳ではありません。
特に短期間の歯ぎしりは、身体が緊張しているときに自然に現れる行動であり、その結果、精神的なストレスが軽減されることがあります。
つまり、適度な歯ぎしりは、身体にとって有益な部分もあると言えます。
5.歯ぎしりがストレス発散に繋がる理由
歯ぎしりがストレス発散に繋がる理由は、筋肉の緊張を解放するという点にあります。
ストレスが高まると、私たちの体は無意識に緊張状態を保つことがあり、この緊張が歯ぎしりという形で解消されることがあります。
また、歯ぎしりは身体の自然な反応であり、ストレスがかかっているときに一時的に筋肉を使うことが、精神的な負担を軽減する手段となることもあります。
6.歯ぎしりに対応すべき場合とその方法
歯ぎしりが継続的に行われると、歯や顎関節に負担をかけることになります。
この場合、歯ぎしりに対応する方法を考える必要があると言えます。
特に歯ぎしりへの対応を考える必要のある場合について記載いたします。
・歯が摩耗し始めた、またはひびが入った
・顎の痛みや頭痛、耳鳴りが発生している
・歯茎の後退や歯の動揺が見られる
上記の場合、ナイトガードを使用することが非常に効果的です。
ナイトガードは、睡眠中に歯ぎしりから歯を守り、歯の摩耗を防ぐことができます。
また、顎関節への負担を軽減し、筋肉の緊張を和らげる役割も果たします。
7.ナイトガードの役割と効果
ナイトガードは、歯ぎしりを防止するためのマウスピースで、睡眠中に装着することで歯や顎関節への圧力を軽減します。
これにより、歯ぎしりによるダメージを防ぐことができます。
また、ナイトガードには下記の効果もあります。
・歯の摩耗を防ぐ
歯ぎしりによって歯が摩耗するのを防ぎます。
・顎関節への負担を軽減する
食いしばりや歯ぎしりによって顎関節にかかる圧力を軽減し、顎の痛みや筋肉のこわばりを防ぎます。
・睡眠の質を向上させる
歯ぎしりが原因で目覚めることが少なくなるため、睡眠の質が向上します。
ナイトガードは、歯科医院にて作成するとオーダーメイドができ長期的に活用するものが作成できるためお勧めです。
8.まとめ
歯ぎしり(パラファンクション)は、無意識に行われる行動であり、ストレスや不安を解消する役割もあります。
しかし、過度な歯ぎしりは歯や顎関節に悪影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。
歯ぎしりが問題となる場合は、ナイトガードの使用が効果的であり、これを使うことで歯や顎関節への負担を軽減し、快適な生活をサポートできます。
ストレスを感じたときに自然に現れる歯ぎしりを過剰に恐れず、ぜひ一度当院までご相談くださいませ。