矯正の審美性以外のメリットについて
愛媛県松山市の歯医者、石岡歯科医院の院長 石岡 亮です。
今回は、「矯正の審美性以外のメリットについて」お話をしていきます。
【目次】
1.はじめに
2.咬み合わせの改善がもたらす健康効果
3.3番の犬歯の役割と正しい咬合の意義
4.呼吸・発音・姿勢にも好影響
5.精神面・社会的メリット
6.長期的な歯の寿命への貢献
7.まとめ
1.はじめに
「歯列矯正」と聞くと、ほとんどの方は「歯並びをキレイにする治療」と認識していると思います。
もちろん、美しい歯並びは第一印象を良くし、自信にもつながります。
しかし矯正治療の真の価値はそれだけではありません。
実は、咬み合わせや機能面、健康全体、さらには心理・社会的側面にも大きく関わっています。
今回は「見た目」だけではない、矯正治療の多面的なメリットについて詳しくご紹介いたします。
2.咬み合わせの改善がもたらす健康効果
矯正治療の最も基本的な目的のひとつが「正しい咬み合わせ=正常咬合(せいじょうこうごう)」を得ることです。
正しい咬み合わせが整うことで、以下のような効果があります。
・咀嚼効率の向上:しっかり噛めることで、消化器への負担が軽減されます。
・発音の明瞭化:前歯の位置や舌の動きが改善され、正しい発音がしやすくなります。
・筋肉のバランス向上:顎や首、顔面筋の左右バランスが整い、肩こりや頭痛の軽減にもつながることがあります。
3.3番の犬歯の役割と正しい咬合の意義
歯列の中で特に重要な役割を果たしているのが、3番と言われる犬歯です。
矯正治療では、犬歯を正しい位置に誘導することは非常に重要で、症状にもよりますが矯正治療時には「犬歯誘導」を行います。
「犬歯誘導」とは、顎を横に動かしたときに上下の犬歯が先に接触し、奥歯に不必要な負担をかけないように導く咬合様式のことで、以下のような学術的意義があります。
・顎関節への負担軽減:犬歯は根が深く、力に耐えられる構造をしているため、顎関節を守る働きがあります。
・咬合干渉の防止:奥歯が横咬み時に干渉しないため、歯の摩耗や破折のリスクが軽減されます。
・筋肉の過緊張の抑制:咬筋や側頭筋への過剰な負荷を防ぎ、歯ぎしりや食いしばりのリスクが下がる可能性があります。
犬歯が機能的に位置していないと、他の歯や顎に負担が集中し、将来的な咬合崩壊を引き起こすリスクがあるため、注意が必要になります。
4.呼吸・発音・姿勢にも好影響
意外に思われるかもしれませんが、歯列や顎の位置は呼吸や姿勢にも影響を与えます。
・鼻呼吸の促進
上顎が狭く、歯列が乱れていると舌の位置が低くなりやすく、口呼吸になってしまうことがあります。
矯正治療により口腔容積が確保されると、舌が正しい位置におさまり、鼻呼吸が促されます。
・鼻呼吸のメリット
感染予防(空気中の異物をフィルタリング)
酸素の効率的な取り込み
睡眠の質の向上(いびき、睡眠時無呼吸症候群のリスク低下)
などがあり、全身の健康状態にも良い影響をもたらします。
・姿勢やバランスとの関係
不正咬合により頭の位置や下顎の位置がずれると、頸椎や骨盤のバランスにも悪影響を及ぼすことがあります。
顎のバランスが整うと、全身のアライメントが改善され、猫背や肩こりの軽減が報告されることもあります。
5.精神面・社会的メリット
矯正治療により歯並びが整うと、自分の口元に自信を持てるようになります。
これは、次のような心理的・社会的メリットにつながります。
・笑顔が増える:笑顔は周囲との良好な関係を築く鍵です。
・人前で話すことへの抵抗が減る:口元のコンプレックスがなくなると、積極性が増します。
・就職活動や面接での印象アップ:第一印象が大きく左右される場面では、整った口元が好印象を与えます。
6.長期的な歯の寿命への貢献
矯正治療によって、咬み合わせのバランスが整うことで、特定の歯にかかる負担が軽減され、歯の寿命が延びる可能性があります。
また、歯が適切に並ぶことで、
・歯磨きしやすくなる → プラークや歯石が溜まりにくい
・虫歯や歯周病のリスクが下がる
・定期的なメンテナンスもしやすくなる
といった、口腔内全体の健康維持にもつながります。
7.まとめ
矯正治療には、見た目の改善以上の深い価値があります。
3番の犬歯のように、特定の歯の働きを正しく機能させることが、顎関節や筋肉、歯の寿命にも大きく関わってきます。
さらに、呼吸、姿勢、発音、そしてメンタル面や社会生活まで、多岐にわたるメリットが存在します。
「矯正=美容目的」と思われがちですが、実は全身の健康・生活の質の向上に大きく関与する総合的な治療です。
もし矯正治療をご検討中の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に当院までご相談くださいませ。