なぜ矯正治療では小臼歯(前から4番目・5番目の歯)を抜歯することが多いのか

愛媛県松山市の歯医者、石岡歯科医院の院長 石岡 亮です。

今回は、
なぜ矯正治療では小臼歯(前から4番目・5番目の歯)を抜歯することが多いのか
についてお話ししていきます。

矯正治療に興味はあるけれど、
「健康な歯を抜くのが不安」
「どうして奥歯じゃなくて小臼歯なの?」
と疑問を持たれる方は非常に多いです。

今回は、その理由をできるだけわかりやすく解説します。

【目次】
1. 矯正治療で抜歯が必要になるのはどんな時?
2. なぜ「歯を並べるスペース」が足りないのか
3. 抜歯=悪い治療、ではありません
4. なぜ小臼歯が選ばれるのか
5. 前歯を下げるために必要なスペース
6. 奥歯や前歯ではダメなの?
7. 抜歯をしない矯正が向いているケース
8. 無理に抜歯を避けた場合に起こる問題
9. 小臼歯抜歯がかみ合わせに与える影響
10. 歯科医院での診断と治療方針の決め方
11. まとめ

 

1. 矯正治療で抜歯が必要になるのはどんな時?

矯正治療では、すべてのケースで抜歯が必要なわけではありません。

しかし、次のような場合には、抜歯が選択されることがあります。

・歯が大きく、顎が小さい
・歯並びのガタガタ(叢生)が強い
・前歯が大きく前に出ている(出っ歯)
・口元を下げたい(横顔の改善)

これらに共通する問題は、
「歯をきれいに並べるためのスペースが足りない」
という点です。

 

2. なぜ「歯を並べるスペース」が足りないのか

歯の大きさは、遺伝的要因が非常に強い一方で、
顎の成長は現代人では小さくなる傾向があります。

・柔らかい食事
・噛む回数の減少
・生活習慣の変化

その結果、
「歯は大きいのに、顎が小さい」
という状態が起こりやすくなっています。

スペースが足りないまま無理に歯を並べようとすると、歯は前に押し出され、口元が突出してしまいます。

 

3. 抜歯=悪い治療、ではありません

「健康な歯を抜く」と聞くと、どうしてもネガティブな印象を持たれがちです。

しかし矯正治療における抜歯は、
歯を守るための選択
であることも多いのです。

・無理な力をかけない
・歯ぐきや骨に負担をかけない
・長期的に安定したかみ合わせを作る

これらを実現するために、抜歯が最善となるケースがあります。

 

4. なぜ小臼歯が選ばれるのか

矯正治療で抜歯されることが多いのは、
**前から4番目・5番目の歯(小臼歯)**です。

理由は以下の通りです。

・前歯と奥歯の中間にあり、スペース調整がしやすい
・噛む機能を他の歯が補いやすい
・見た目に直接影響しにくい
・左右対称に抜きやすく、バランスが取りやすい

矯正治療では「見た目」と「かみ合わせ」の両立が重要であり、小臼歯はその調整に最も適した歯なのです。

 

5. 前歯を下げるために必要なスペース

出っ歯や口元の突出感を改善するには、
前歯を後ろへ下げるスペース
が必要になります。

小臼歯を抜歯することで、そのスペースを利用し、

・前歯を正しい位置に戻す
・唇の突出感を改善する
・横顔(Eライン)を整える

といった効果が得られます。

抜歯をしない場合、前歯を十分に下げることができず、見た目の改善が不十分になることもあります。

 

6. 奥歯や前歯ではダメなの?

「奥歯を抜いた方が噛めなくならないのでは?」
「前歯を抜くのは見た目が心配」

こうした疑問もよくあります。

しかし、

・奥歯は咬合の安定に不可欠
・前歯は審美性・発音に大きく影響

するため、基本的には抜歯の対象にはなりません。

その点、小臼歯は機能・審美・バランスの面で最も影響が少ない歯といえます。

 

7. 抜歯をしない矯正が向いているケース

もちろん、すべての人が抜歯矯正になるわけではありません。

・軽度の歯列不正
・顎の大きさに余裕がある
・歯のサイズが小さい
・口元を下げる必要がない

こうした場合には、
非抜歯矯正
が可能なこともあります。

大切なのは、「抜く・抜かない」ではなく、
その人にとって最も無理のない方法かどうか
です。

 

8. 無理に抜歯を避けた場合に起こる問題

本来抜歯が必要なケースで無理に非抜歯を選ぶと、

・前歯が前方に傾く
・歯ぐきが下がる
・歯の根が骨からはみ出す
・後戻りしやすい

といったリスクが高まります。

これは、歯や歯周組織にとって大きな負担となります。

 

9. 小臼歯抜歯がかみ合わせに与える影響

適切に計画された抜歯矯正では、

・前歯と奥歯のバランスが整う
・咬合力が分散される
・顎関節への負担が減る

など、
長期的に安定したかみ合わせ
を作ることが可能です。

単に歯を並べるだけでなく、「噛める」「壊れにくい」歯並びを目指します。

 

10. 歯科医院での診断と治療方針の決め方

当院では、

・レントゲン・CT
・歯型・写真
・かみ合わせの分析
・口元や横顔の評価

を総合的に行い、

・抜歯が必要か
・どの歯を抜くのが最適か
・将来の安定性

を慎重に判断します。

 

11. まとめ

矯正治療で小臼歯が抜歯されることが多い理由は、

・歯を並べるスペースを確保するため
・前歯と奥歯のバランスを整えるため
・見た目とかみ合わせを両立させるため

です。

抜歯は「悪」ではなく、
将来の歯と口元を守るための選択肢の一つ
です。

矯正治療は、見た目だけでなく、
・噛みやすさ
・歯の寿命
・かみ合わせの安定

を左右する重要な治療です。

不安や疑問がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

当院では、患者さん一人ひとりに合った、無理のない矯正治療をご提案しています。